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子供の摂食、嚥下障害を知っていますか❓

2016/10/21



 

 食べること、飲み込むことは生まれ持っている体の機能ではありません。

摂食嚥下機能は摂食嚥下に関連する様々な器官の発育と外部からの環境因子などの

働きかけよって発達していく機能です。

摂食嚥下障害は様々な原因により、摂食嚥下機能の発達が遅れたり、途中で停止したために起こります。

 

食べる機能の発達過程

 

経口摂取準備期: いわゆる哺乳期です。また、指しゃぶりなど 口から食物を食べる準備を している時期です。

 

嚥下機能獲得期: 食物を飲み込む動きを獲得する時期。呼吸路と食物路を使い分けできるようになります。

 

機能獲得期: 唇を使って口をふさぎながら食物を口の中に取り込むことを覚えます。

(押しつぶし)

 

機能獲得期: 唇を使って口をふさぎながら取り込んだ食物を舌の先と上顎の前方で押しつぶします。

(すりつぶし)

 

機能獲得期: 唇、頬、舌、顎を協調させながら食物をすりつぶす、かみつぶす、まぜあわせることを覚えます。

 

自食準備期: 自分で食事をとる準備の時期。手と口を協調させることを覚えます。

 

食べ機能獲得期: 手で食物を持って口へ受け渡すことを覚えます。

(手づかみ)

 

食べ機能獲得期: 食具(スプーンなど)を使って食べることを覚えます。

(食具、食器)

 

嚥下障害の原因

 

子どもの摂食・嚥下障害について
脳性麻痺、ダウン症などの生まれついてのご病気の方や、口や喉など食べるために使う部位の形の異常、

交通事故による脳挫傷や、低酸素脳症になってしまったお子さんにもみられることがあります。

食べる仕組みは生まれ持っているものではなく、経験し、獲得していくものです。

ご病気だけが摂食・嚥下障害の原因になるだけではなく、食べ方を身につけていく過程や環境

(食物の大きさや固さ、食べる姿勢、食べさせ方など)が不適切な場合や乳児期の指しゃぶりなど

口へ物を入れる感触の経験不足なども原因の一つになると考えられています。

 

嚥下障害の対応

「食べる」ということは、生きるうえでの必要な基本的機能であるとともに、

生きて行くうえでの QOLの問題でもあります。

したがって、食べる機能の障害に対しての訓練・指導としての大原則として

1)口から安全に食べる(食物などが窒息・誤嚥しないようにする)。
2)口から食べることが子どもたちにとっても、介助者にとっても楽しい時間となるようにする。

を、常に心がけなければなりません。

そこで小児の摂食嚥下障害に対してはいわゆる発達療法を行います。

発達療法とは遅れていたり、停止している機能をできるだけ発達・獲得させる治療法です。

口腔リハビリテーション科では、食形態を中心とした食内容の指導、食器や食事の際の姿勢などの

食環境の指導、発達段階に応じた摂食機能訓練を行い、摂食嚥下機能の発達を促しながら

安全に食べるための指導をいたします。また、患者様が通院していらっしゃる小児科など他科と連携し、

全身状態と食べる機能との関係を把握しながら治療を進めます。

 

食環境指導: 食事姿勢(座る角度など)、介助法(スプーンでの与え方など)

                   摂食器具(使いやすいスプーン、コップ)について指導いたします。


食内容指導: 安全に食べるため、機能を促すための食事の形態(やわらかさ、とろみの付け方)や

                   内容を指導いたします。


摂食機能訓練: 食べるために必要な舌や唇など口の中や周囲、喉の動きを促す訓練や食物を使った

                     訓練を指導致します。

 

 正しい摂食嚥下は、小さい頃からの食生活環境が大事です。何らかの理由で難しい場合も

適切な指導で段階を追って訓練を行えば機能も改善してきます。

ご心配なことがあられたら専門の機関に相談されてみてはどうですか。

 

松尾 副島

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